バムサジャーナルに掲載された総説の紹介(第13回)

バムサジャーナルへの掲載総説

エンテロウイルス属は、ピコルナウイルス科を構成する17属の1つである。ピコルナ(picorna)とは、小さな(pico)ウイルス粒子で、RNA(rna)をゲノムとすることを意味している。ピコルナ科のウイルスの中で、ヒトの疾病に関与しているウイルス属は、エンテロウイルス属(ライノウイルス属は、最新のウイルス分類ではこのエンテロウイルス属の一部として分類されている)、へパトウイルス属、パレコウイルス属、コブウイルス属、カルジオウイルス属である。エンテロウイルス属のウイルスには多くの血清型が存在し、引き起こす病気の臨床症状も多様である:世界保健機関(WHO)のプロジェクトで地球上からの根絶を目指しているポリオ(正式には急性灰白髄炎;脊髄性小児麻痺とも呼ばれる)を引き起こすポリオウイルス;現在大流行している夏風邪の一種の手足口病を引き起こすエンテロウイルスやコクサッキーウイルス(ヘルパンギーナもコクサッキーウイルス感染が原因);また主に春と秋に多い風邪の原因となっているライノウイルスなどである。今回は、このエンテロウイルス属について概説するとともに、「エンテロウイルス感染と1型糖尿病」という興味深い話題についても言及したい。

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