この記事では高齢者が気になるがんや肺炎について解説します。
平均寿命と健康寿命と違い
厚生労働省からの毎年の「人口動態統計月報年計(概数)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf
- 日本は世界の中で長命国何番目でしょうか?
最新の2022年のWHO発表平均寿命データでは1位日本で、2位スイス、3位大韓民国です。 - 健康に日常生活を送れなくなってから死ぬまでが長い
健康で過ごすことができる健康寿命が大事であるが、平均寿命に比べて数年短くなります。WHOが発表している2019年の最新データによると1位日本、2位シンガポール、3位大韓民国です。 - この健康寿命に影響を与えている、日本人の死因でです。図に示されているように、断トツの1位が悪性新生物、すなわちがん、2位心疾患、3位老衰(近年急激に増えてきている)、4位脳血管疾患、5位肺炎です。
- 高齢者への肺炎球菌ワクチンが定期接種になった2014年以降は明らかな低下をしています。
- 2017年に、死因の上位を占めるようになった誤嚥性肺炎が死因の新項目として加えられたために、肺炎と仕分けされる割合は減ってきているが、感染症が主な原因となる両項目を合わせると2017~2019年では3位に、2020~2022年では4位になります。
がんがどうして引き起こされるのか?
- がんの原因になっているのは何か?
野菜不足で「がんになる人」ほとんどいない真実-加えてストレスでがんになる人もほとんどいない
2024年3月14日、勝俣範之先生(日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授)の「あなたと家族を守る がんと診断されたら最初に読む本」を一部抜粋して構成された記事が東洋経済から届けられた。その結論は驚きの内容で、①もうがんは共存していく病気である、②ステージ4は「末期がん」ではなく、そう宣告されてもその後に長く生きる人の割合がここ20年間で5倍にもなっている、③がんになる要因は偶発的な要因による遺伝子の突然変異であり、よく言われる野菜不足やストレスががん発症の原因にはなっていないし、がん家系とか遺伝するなどもよく言われるが、それほど多いわけではないとのことです。 - がんの中には感染症が原因と考えられるものもある
B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウイルスによる子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリ菌による胃がん など。
いろいろな感染症が原因となって高齢者は肺炎で亡くなる人が多い
- 肺炎の原因は感染症が多く、その原因となる感染症はいろいろなものがある
原因となる細菌:
- 肺炎球菌
- インフルエンザ桿菌b型(Hib)
- 緑膿菌
- 黄色ブドウ球菌
原因となるウイルス:
- 新型コロナウイルス
- インフルエンザウイルス
- アデノウイルス
- ヒトメタニューモウイルス
その他の原因: - マイコプラズマ
- クラミジア
- レジオネラ など