1980年5月8日にWHO(世界保健機関)は、世界から天然痘を根絶させることに成功したと発表した。
天然痘は、人類史上最大の惨禍を与え続けてきた感染症である。
この成功は、イギリスのエドワード・ジェンナーが開発した牛痘種痘法に依っている。
WHOが天然痘根絶対策として、フランク・フェナー博士、ドナルド・ヘンダーソン、そして熊本市出身の蟻田功医師(2023年に老衰のため死去、享年96歳)によるワクチンの確保と品質管理を徹底し、10年にも及ぶ接種計画を粘り強く遂行した結果であり、1977年にアフリカで最後の感染者を確認した以降は患者発生がない。
人類が初めて感染症を撲滅するという偉業を成し遂げた後、ポリオ(小児麻痺)、麻しん、風しんなども次の候補となっているが、まだ成功には至っていない。