はじめに
新型コロナウイルスに関する最新情報をお伝えする中で、変異株について理解を深めていきましょう。
変異株とは何か
変異株とは、ウイルスが自然進化の過程で変化し、新しい形態を持つ株のことを言います。新型コロナウイルスも変異株を次々と産み出しており、その多くは感染力が高まるものです。
変異株の特徴と病原性の変化
新型コロナウイルスの変異株は、ウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」の変化によって特徴付けられます。これは、感染した人の免疫機能による圧力から逃れられるような、スパイクタンパク質に変異が発生した株が生き残り、それ以外は免疫の力で排除されてしまったことが原因と考えられます。
一方、感染者の体内で次々と増殖し、どんどん子ウイルスを生産していく過程で、ウイルスを生産するために必要な遺伝子が変異していきます。ウイルスの生産性が高くなるように遺伝子変異したものが生き残り、感染した宿主（人）にとって病原性（病気を引き起こす能力）を発揮するための遺伝子はウイルス生産に必要ないので捨てていく方向になります。このように、次々と生まれてくる変異株は、感染力が高まる可能性がありますが、必ずしも病原性が高くなるわけではありません。
感染力が高くなる要因
感染力が高くなる要因として考えられるのは、ウイルスが結合して侵入する細胞に対して、より効率的に結合できるようになることです。つまり、変異株がより強力に細胞に取り付くことで、感染力が増す可能性があります。
世界で報告されている変異株の種類
世界各地で報告されている変異株の中でも、特に注目されるのは「イギリス株」「南アフリカ株」「ブラジル株」などです。これらの変異株は、感染力が高いとされています。最近の主流はKP.3など、感染力が高い変異株にどんどんシフトしていっています。10月からの定期接種・任意接種のワクチンはJN.1変異株由来の配列のmRNAが使用されています。
そもそも弱毒性の生ワクチン株の分離は、同じような手法に基づいています。培養細胞に次々と感染していって、100代以上も継代していくと弱毒性が進んだウイルス性状に変化します。
対策として今私たちができること
変異株への対策としては、以下の手段が挙げられます。
1. マスクの着用や手洗いの徹底：感染の予防策としては今まで通り、マスクの着用や手洗いの徹底が重要です。
２. ワクチン接種の推進：変異株に対する感染予防効果はまだ明確ではありませんが、ワクチン接種は重症化の予防には役立ちます。
まとめ
新型コロナウイルスの変異株は、感染力が高まる可能性がある一方、病原性は必ずしも高くなりません。日々変異するウイルスに対し、正確な情報を元に正しい対策を取りましょう。必要な知識をしっかり身につけて、安心して日常生活を送りましょう。
