新型コロナ

新型コロナウイルスが宿主細胞に感染するときは、肺、腸管、心臓、動脈、腎臓、睾丸などに分布している細胞の表面に存在しているACE2と呼ばれる酵素活性を持つ分子(=新型コロナウイルスの受容体)に結合する。これを第一歩として感染を成立させるので、この分子が担う血圧調節などに影響が、新型コロナウイルスの感染で起こりえる。

少々複雑な話になるが、ACE2と呼ばれる、新型コロナウイルスの細胞の受容体について、簡単に説明したい。今回の話は複雑で、わかりにくいのだが、何となくでもイメージを掴んでもらいたいので、まずは最後まで読んでいただければと思う。 新型コロナウイ...
ウイルス感染症

ウイルス性感染性胃腸炎(ノロウイルス)

ノロウイルスは秋の終わりごろから冬の中頃までが流行期間で、小児に多い感染症である。このウイルスに感染すると、2~4日の潜伏期間の後に1~2週間もの長期にわたる発症期間を迎える。症状は、腹痛、下痢、胃痛や胃痙攣、頭痛、発熱などである。  特徴...
新型コロナ

新型コロナ対策への意見がばらばら

新型コロナ対策として、①飛沫感染対策(マスクなど)、②接触感染対策(手洗いや消毒など)、③エアロゾル感染対策(換気など: 室内で二人以上一緒にいる場合)の3つが推奨されている。    最近になって、②については、ほとんどの場合にはそれほど重...
新型コロナ

新型コロナワクチン接種が進行中です:ファイザー社とモデルナ社の製品ですが、どちらもmRNAワクチンです。どういう原理のものなのか簡単に解説します。

医療従事者に次いで、高齢者へのワクチンが始まった。それぞれの自治体で接種が進められているワクチンはファイザー社製で、大規模接種会場で進められているワクチンはモデルナ社製のものである。どちらもよく似た仕組みのワクチンである。 新型コロナウイル...
新型コロナ

今朝の朝日新聞から:米国の感染症対策を担う米疾病探索センター(CDC)が新型コロナについて検討した意見として「手洗いは必要だが、清掃や消毒はあまり重要ではない」と

街中で、誰か(ひょっとして新型コロナウイルスに感染した人?)の飛沫がついたドアノブやエスカレーターの手すりなどに触れた手で、目、鼻や口の粘膜に触れることで、新型コロナウイルスに感染するリスクがあるといわれ続けてきた。  しかし、その接触感染...
新型コロナ

本ブログでは、ウイルスの眼を通して、人間社会の新型コロナの状況を見る

「ウイルスの眼を通して」  vs  「人の眼を通して」 ウイルスの眼を通して 人の眼を通して    ウイルスは、感染した宿主細胞に子孫ウイルスの産生をお願いする立場である。まず、子孫ウイルスを作るための遺伝情報(ゲノム)を送り込む。そして、...
感染症あれこれ

季節外れのRSウイルスが大流行しているようだが、どんな感染症?

RSウイルスはどんなウイルス?  RSとはレスピラトリ シンシティアル(respiratory syncytial)の略で、「呼吸器合胞体」と翻訳される。培養細胞に感染させると、ウイルスが感染して増えるに伴い、感染した細胞同士がくっついて大...
新型コロナ

しとしと ぽつぽつ ざーざー 「雨が降っても降らなくても、コロナでほぼ同じ過ごし方だ」

緊急事態宣言。不要不急の外出不可もぅうんざり、でもまだ延長の声が!えっ、いつまで?  いつの間にか梅雨入りで、毎日雨ばかり。新型コロナウイルスの感染者数や死亡者数で、大阪は東京を上回る日が続いていた。しかし、緊急事態宣言でやっと感染者数はわ...
新型コロナ

そろそろパンデミックインフルの出番か?

新型コロナの次のパンデミックは、インフルエンザが再度表舞台に? 人間社会に現れる新型ウイルスとは、これまで知られていなかったウイルスが初めて出現することである。もちろん、まったく新しいウイルスが、突然生まれ出てくるのではなく、人間が知らなか...
新型コロナ

われわれウイルスの眼から見ると:変異株

いろいろな新型コロナウイルス変異株を生み出しているが、実はこれらは失敗作である。親の遺伝情報を読み間違え(コピーミスし)て、子孫に伝えてしまったものである。  しかし、それが人間社会に大きなダメージを与える結果となり、われわれウイルス側とし...