江戸時代の天然痘(疱瘡)が流行するとともに広まったものが「だるま」です。
当時は赤く塗られた物が邪気を払うと信じられていて、だるまが疱瘡除けとして広がっていきました。
赤い色は、古くから「太陽」や「血液」など、生命を象徴する色と考えられており、これが「魔除け」や「厄除け」の意味合いにつながったようです。神社の鳥居や社殿なども、赤い色が多く使われています。また、からだを魔物から守るとして、「魔除け」や「病気除け」として用いられてきた色です。さらに、還暦祝いの「赤いちゃんちゃんこ」や「頭巾」を身に着けるのも「魔除け」の意味があるそうです。
日本では、旧暦の大晦日(現在ではこの日は「節分」)には「追儺(ついな・おにやらい)と呼ばれる行事がありました。これは、中国から伝わった行事のようで、現在の「鬼は外、福は内」に近いもので、この追儺に「豆」が登場していたようです。豆は「魔滅」という字を当てることができるように、縁起の良いものと考えられていました。「節分の豆まき」の起源がこのあたりにあるようです。
・立春の前日が節分です。2024年は2月3日(土)、2025年は2月2日(日)、2026年は2月3日(火)
・「赤鬼」(貪欲、欲望、渇望)は、人間の悪い心の象徴で、豆をぶつけることで、自分の中の悪い心が取り除かれる効能があるとされ、一方の「青鬼」(瞋恚(しんい)、悪意、憎しみ、怒り)は、貧相の自分自身に豆をぶつけることで福相・福徳に恵まれるとされています。
・最近、急速に全国に広がっている節分の行事に、「恵方巻き」(切り分けられていない縁起物の巻きずしを、恵方の方角を向いて願い事を思い浮かべながら丸かじりし、言葉を発せずに最後まで食べきると願い事がかなうとされる)があります。恵方巻きの起源は諸説あるようですが、大阪の商人や芸妓が商売繁盛を祈願し、節分に巻きずしを食べたのがはじまりという説が有力だそうです。江戸時代から明治時代にかけて誕生したようで、その頃は「太巻き寿司」とか「丸かぶり寿司」と呼ばれていたそうです。
・恵方とは、陰陽道で、その年の福徳を司る年神様がおられる方向で、この方向に向かってことを行うのは「何ごとも吉」とされていました。
高崎市とだるま
・だるまが赤いのは、禅宗の開祖である達磨大師(高崎市の達磨寺)の法衣が赤であったことに由来しています。
・「七転び八起き」の縁起が良い顔の福だるま ・高崎市豊岡町はだるま生産日本一(高崎市と合併するまでのおおよそ140年の間、「豊岡だるま」と呼ばれていました)