ウイルスが感染を繰り返す中で変異型が次々と出現

新型コロナ

新型コロナウイルス(SARS−CoV−2)が人間社会に現れてから、5年以上が経過しましたが、この間、変異株と呼ばれるウイルスに次々と姿を変えてきています。この変異株は、「容易に感染するが、感染したヒトに重症化を引き起こしにくい」という特徴があります。ですので、ますます人から人へ感染伝播し、世界中に広がっています。今では、このウイルスに晒されて脅威となる対象は、高齢者や基礎疾患患者そして免疫不全患者、さらに妊婦など、免疫が抑制された状態の人たちです。

ヒトに感染するコロナウイルスは、風邪の病原体として人類に広く蔓延している4種類のコロナウイルス(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1)が知られています。

近年、高い病原性(重症肺炎)を示す新興のコロナウイルスが3種類出現しました(2002年に中国広東省で発生した重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS−CoV)、2012年にサウジアラビアで発見された中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS−CoV)、そして2019年に中国武漢市で発見された新型コロナウイルス(SARS−CoV−2)です。

このように、現在のところ、ヒトに感受性を示すコロナウイルスは7種類存在します。ここで興味ある点は、SARS−CoVは1年ほどで人間社会から無くなったのですが、SARS−CoV−2は出現から5年以上も経過した現在でも人間社会に居座っている点です。

上記の4つの風邪の原因となっているコロナウイルスは、いずれもおそらく野生動物に由来し(近年の重症肺炎を引き起こす3つのコロナウイルスと同様に)、人間社会に入ってきたものと考えられています。人から人に伝播している間に、次々と変異株に姿を変えている間に病原性が低いウイルスとなり、人間社会から排除されずに現在まで風邪の原因ウイルスとして生き長らえていると考えられています。

2019年出現のSARS-CoV-2も、ウイルスの変異株が次々と報告され、病原性が低下する一方で、感染力が高くなり、このウイルスと共存する社会となっています。2025年2月のWHO報告では、7億7千万人以上が感染し、708万人以上が死亡したと報告されています。

このように、これまでのいくつかのコロナウイルスの出現から、その後の人間社会における位置付けにより、それぞれのコロナウイルスの戦略とも思われる振る舞いにおいて明らかな違いが認められます。この違いには、遺伝子変異が大きく関わっていると考えられます。病原性の弱毒化が起こりにくいことで、短期間の間に人間社会から消えていったSARS-CoVとは対照的です。

以上、今後どれくらいの期間がかかるかは判りませんが、SARS-CoV-2もやがて風邪の原因ウイルスと位置付けられる日がやってくるかも知れません。

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