新型コロナウイルスの変異型(最近ではKP.3株)が大騒ぎされすぎでは?

新型コロナ

ウイルスは次々と増えていく過程で変異するものである。細胞で次から次へとうつしていけば、ウイルスは子ウイルスの量産に一生懸命になるので、増えること以外の遺伝情報は外していく。なので、どんどん増えやすいウイルスに変っていくのが普通の流れになる。

実際、このようにして何回も継代培養して病原性発揮に必要な情報を外して、増えやすいウイルスへと進化?(人間にとって;ウイルスにとっては退化?)させたものが弱毒性の生ワクチンになっており、現在も安全に使われているものがある。

これと同じ理屈で、新型コロナウイルスも2019年に中国・武漢で出現して以来、世界中で増え続けているが、ウイルスの感染力は強くなっているが、重い症状を引き起こせなくなっている。実際、最初の武漢株から、その後にアルファ株(2020年9月)、ベータ株(2020年5月)、ガンマ株(2020年11月)、デルタ株(2020年10月)、オミクロン株(2021年11月)などが出現したが、オミクロン株とその亜系統(KP.3など)は主に感染力が強くなったとされている。実際、エアロゾル感染とか飛沫感染でうつると、最初のころのウイルスは肺まで到達して全身に回るウイルスだったが、感染力が強くなったウイルスは肺までいかずに喉あたりで増えるものに変っている、すなわち弱毒化しているので、重症化することなく、人にうつしやすいという性質に変っているのである。

ワクチンが効かないウイルスになっているという点は、最近まで使われていたワクチンは最初の武漢株の情報に由来しているので、変異したものには、その変異の程度によってはどんどん対応しにくくはなっていると考えられる。当然、新しい変異株を元に新たなワクチン開発が進められてはいるが、悲しいかな、人間が作るワクチンはウイルスの後追いなので、出来上がったころはもう効きが悪いワクチンということになりかねない(もう既に別の変異株の全盛期が流行っているかもしれない)。

ウイルスがこれほど長い間人間社会に入って、次々と姿を変えて生存し続けていると、そのうち自然界でほどよい弱毒性の生ワクチンが出来上がるかもしれない。以前は小さいころ、感染症の流行が起こったとき、母親から「早く感染した子のところへ行ってもらってきなさい(ウイルスに感染して来するために)」といわれた人も多いと思う。

高齢者や基礎疾患のある人は、免疫力も体力も落ちている人が多いので、どんなウイルスでも感染すると重症化(例えば肺炎など)につながる可能性が高い。なので、新型コロナウイルスだけではなく、インフルエンザウイルスやRSウイルスなども要注意である。

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